世界は「関係」でできている
皆さんこんばんは。お元気でお過ごしでしょうか。
さて。
正月早々、物理学、意味起源、意識論などを正面から論じた名著を読みました。
平易で、素人でも分かる本です。超おすすめですよみなさん。
こちらです。
世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論
税込1,980円(Kindle版)
科学の諸大問題を、文学風にではなく、あくまで物理学的に論じる本書。
取捨選択できる能力も時間もありませんが、主張は概ね妥当という印象を受けました。
ただし、いわゆる意識の出所については曖昧に感じました。
しかし、既存概念の入れ替えが激しすぎて、頭がクラクラしています。
現時点で理解できている範囲で、なんとなく内容をまとめてみると・・。
- 量子論的物理世界
- 意味、生命
- 意識、心身問題
世界は基本、素量子等の物質ではなく「関係」でできている。
物質は抽象的概念であって、関係無しで(それ単体では)存在しない。
関係のみが観測可能なものであり、関係こそが世界の基本構成単位である。
関係は観測者との間に限らず、関係間にも存在する。
そのような関係の重層的な網目が、不断に幾重にも構成され続けている。
「意味」は、進化と情報から物理学的に生じる。
後代に残る=有益な属性こそが、意味の物理学的な正体。
生命はこの根源で、これを組織化する。
文化や科学、技術、社会などはその延長上にあり、
例えば個人的、社会的規則化の過程でそれぞれ心理現象、科学体系が発展した。
意識というものは存在しない。自己というものも存在しない。
それらは神のような観測不可能な仮説概念である(信仰対象あるいは迷信)。
物心二元論ではなく「関係」のみの一元論が妥当で、観測し得る関係だけがあり、
今見ている全ては自分(=脳内の関係)との関係でできている。
いわゆる意識は世界から情報を受け取っているのではなく、
世界を自分から予想・描画しており、不断に修正を加えているとされる。
世界内にある脳内の関係から生じるこの関係が、我々の見ている世界の実態。
しかしながら、唯心論は当たらない。
関係間にも関係があり、客体的な世界(関係群)は確実に実在する。
以上、自分の言葉を入れており、いろいろ間違っているかもしれません。
間違っていたらすみません。
私はこの著者の、物理的に一元的に語れる点まで煮詰め切る姿勢が大好きです。
あくまで科学者です。検証しています。ごまかしがありません。
ひとつの説(理解)にすぎませんが。
ここで書いたよりずっと一般向けに読みやすく書かれているので、よかったら皆様もどうぞ。
(つづく)