SF小説と人間嫌い
最近、面白いSF小説を読みました。
星を継ぐもの(※アマゾンのリンクです)
シリーズで全5巻あるようです。
内容はまあよくできた(40年くらい前の)SFという感じでしたが、何よりもよかったのが、
「文明の進歩に対する楽観性」が貫かれていたことです。
作者の生きた時代からくるものなのか、作者の哲学からなのかよく知りませんが、
進歩が明るいものだという視点は久々というか、ずっと忘れていたもののような気がしました。
で、現実を振り返ってみると。
技術はなかなかの快速で進歩しています。
シンギュラリティ前後を体験できるかもしれない、稀に見る面白い時に生まれたものだとも思います。
なのに人間たちは相変わらずというのがぴったりで。
ウイグルで組織的に信じられないような行為をしたり、しょうもない戦争に精を出したり、
(正式に証拠の論文が上がりましたが)まさかのウイルスを合成したり、相変わらず核兵器をがんばったり。
まあ、そういうのは思い切っていいとしても、それらの行動の元になった動機って、
思うにかなりダメな感じだと思うんですよ。
きっと、いくらかの虚栄心とか、目の前の利得感とか、そんな程度のものじゃないでしょうか。
人間性が文明に全然釣り合ってなくて、進歩が遅くて。
もういくらかでもより合理的に、冷静に、協力的に、無欲に、その他あれこれになれないものでしょうかね。
小説に出てきた、進んだ文明の宇宙人たちはとても立派で穏やかな人格者でした。
人類は長期的に見れば確かに、より善良な社会を形成する方向へと進んできました。これからもそうでしょう。
個々人の中身、人間性も、いつか立派なレベルに達することができるでしょうか?
なんだかちょっと寂しかったです。
・・という愚痴にもならない無駄話でした。ちゃんちゃん。
(おしまい)